CGRP関連抗体薬についてのお話①
こんにちは、看護部です。
ようやく春が訪れ、お花を楽しむ季節になりました。
一方で、気圧の変化や寒暖差により体調を崩される方も増えています。
当院でも、毎日のように頭痛を訴える患者様が来院されています。
もし頭痛の頻度が多く、お悩みの方は、ご自身の頭痛について見直してみませんか?
頭痛にはさまざまな種類がありますが、特に日常生活の影響を受けやすい「片頭痛」があります。
日本には約1,000万人の片頭痛患者がいると言われていますが、そのうち頭痛専門医の治療を受けている方は約10%程度で、多くの方が市販の鎮痛薬で対応するなど自己管理されているのが現状です。
一般的に頭痛は痛みが出てから対処することが多いですが、実は予防することも可能です。
今回は、片頭痛予防の一つである 「CGRP関連抗体薬」 についてご紹介します。
片頭痛とCGRPの関係
片頭痛はさまざまな誘発要因によって起こり、痛みだけでなく、吐き気・嘔吐、光・音・匂いへの過敏症など、日常生活に支障をきたす症状を伴います。
その誘発要因の一つが 「CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)」 という神経伝達物質です。
三叉神経から分泌されたCGRPが脳の血管に作用することで、片頭痛が引き起こされると考えられています。
片頭痛発作中は、体を動かすと痛みが強くなり、仕事や学校を休んだり、外出できなくなったりする方も多くいらっしゃいます。
そのため、単なる痛みではなく 「日常生活に支障をきたす病気」 として、予防療法が重要です。
当院での片頭痛治療
当院では、まず問診で 「どのような頭痛か、どのようにつらいのか」 をお伺いします。
必要に応じてMRIやCT検査を行い、医師が片頭痛と診断した場合、内服薬による予防を開始します。しかし、内服薬でも十分な効果が得られない場合は、 CGRP関連抗体薬による注射 へと移行します。
CGRP関連抗体薬とは?
現在、日本で使用できるCGRP関連抗体薬は3種類あります
・CGRPを捕まえて受容体への結合を防ぐタイプ:アジョビ/エムガルティ
・CGRP受容体への結合を阻害するタイプ:アイモビーグ
(読売新聞オンラインより、記事を抜粋)
今回は、この中の 「アジョビ」 についてご紹介します。
アジョビは、分泌されたCGRPと結合し、痛みを引き起こすシグナルを抑える働きをします。
アジョビの投与方法(3種類)
・4週間ごとに1本を院内で皮下注射
・12週間ごとに3本を院内で皮下注射
・在宅自己注射(1回で最大3本処方可能)
(初回は院内で指導/2回目は持ち帰り、自宅で自己注射)
自己注射の方法
アジョビの自己注射はとても簡単です。
①キャップを外す
②皮下脂肪が厚い部位(上腕部・腹部・太もも)に垂直に押し当てる
特に 太ももやお腹 は自己注射がしやすい部位としておすすめです。
自己注射は、忙しくて医療機関を受診する時間がない場合でも自分のペースで
注射が打てるなどのメリットがあります。(どうしても自己注射に抵抗がある方は
院内で注射を継続していただくことも可能です。)
アジョビの効果
効果の現れ方には個人差がありますが、 早い方では1週間程度、平均すると3ヶ月程度 で効果を実感する方が多いです。
患者様の中には、
「頭痛の頻度が減り、外出できるようになった」
「頭痛はかわらずあるが程度が軽くなり薬を飲む頻度が減った」
「頭痛がない生活がこんなに楽だとは思わなかった」
とお話しされる方もいらっしゃいます。
CGRP関連抗体薬の適応について
この注射を開始するには一定の条件があります。
「頭痛によって仕事や趣味に支障が出ている」
「頭痛が心配で予定を立てられない」
「以前に飲み薬で予防療法を行ったが効果を感じない」
「飲み薬の副作用があり予防療法を継続できない」
などでお悩みの方は、ぜひお気軽に当院にご相談ください。
※イラストは(大塚製薬資材より)
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